カトラス☆アメ車☆旧車&イラスト

アメ車旧車を中心に、クルマにまつわる話を綴ります。

缶スプレーを使った外装のDIY補修で注意しなければならない事。DIYレストア

前回、DIYによる外装の補修と全塗装(自家塗)を行った話と、自家塗に関する私見を述べました。
今回は自家塗のその後の話です。

70_cutlass

缶スプレーを使った外装のDIY補修での注意点は最後のほうに書きました。

 

 自家塗から間もなくボディは劣化しはじめましたが、徐々にカトラスに対するモチベーションが薄れ、車検は切らせませんでしたがほぼ放置に近い状態を続けてしまいました。

70_cutlass

ほとんど放置車両同然の様相と化してしまいましたが、自家塗した際の仕事は辞めてしまったので再び同様に再塗装する事も叶わず、荒れ果てるカトラスをただ傍観するだけの日々が続きました。

70_cutlass

2011年に仕事の都合で100キロ離れた地方に転居する事となり、その際カトラス存続の危機が訪れましたが逆に情が湧いてしまい、地方に移住したままカトラスは保持する事にしました。

 

その際モチベーションが上がって、サビサビで気に入らなかった前後メッキバンパーを奮発してアメリカから取り寄せ、併せて痛んだ外装の修正も行いました。

70_cutlass

既に塗装設備のあった職場からは去った後だったので、前回のようにコンプレッサーやガンどころか塗装の作業場所すらありません。

 

1からやり直す気力もなかったので、実現可能な方法として市販の缶スプレーを下地処理はほぼ行わずに現状のボディの上からそのまま吹き付ける事にしました。

 

幸い初期のヴィッツやファンカーゴに用いられていた色にかなり酷似していたので、市販の缶スプレーが使用出来ました。

 

 

 

月極駐車場を借りる際、意図的に他車と近接しない孤立した区画を選んでおいた事が功を奏して、他車にミスト等をかける事無く月極駐車場で缶スプレー塗装を行いました。

 

土日で晴れた日の短時間しか作業出来ないので、大雑把にスポンジヤスリで表面を荒らしてコロナマスカーで素早くマスクして1パネルずつ塗装していきました。

70_cutlass

自動車用の缶スプレーを吹いた上にホームセンターのクリアラッカーを吹いたと記憶しています。

 

遮蔽物のない屋外での作業は想像以上にミストや臭気が広範囲に飛ぶので、特に住宅街等では近隣からクレームが出ないように充分な配慮が必要です。

 

しかし、結局すぐにあちこちサビで塗面が浮き上がってバブルが生じてしまいました。

70_cutlass

剥がれたり褪せたりしたらその都度上から吹けばいいやと思っていましたが、何度か吹き付けたらボディの表面全体に細かいクラックが入ってしまいました。

70_cutlass 

こうなってしまうと本格的に表面のクラックの入った層を除去して再塗装する以外方法はなく、月極駐車場で出来るようなDIYでの作業のレベルではないのでお手上げとなりました。

 

原因は上から新たな塗料を吹き付けた事で塗料内のシンナー分が旧塗面に浸透し、旧塗面をふやかしてシンナー分が気化する際の新塗面と旧塗面の伸縮率の違いで乾燥時にクラックが入ってしまった物と予想されます。

 

結局コレで缶スプレー作業は断念し、ボディの劣化はそのまま、細部のパーツ類を取り寄せて少しずつボディ以外の各部の補修を続けました。

 

その後2013年に一念発起してレストア専門店へ外装の補修を依頼しましたが、それについては今後記して行きたいと思います。 

70_cutlass

  • DIY缶スプレー塗装の注意点

缶スプレーでDIYでクルマの塗装を行う際には留意しておかなければならない事が1点だけあります。

 

コレを認識しないで缶スプレーでボディを塗ってしまうと後々トラブルとなる場合があるので、缶スプレーでボディを塗ろうと考えている人は必ず読んで下さい。

 

上記文面で、何度か吹き付けたらボディの表面全体に細かいクラックが入ってしまったと書きましたが、缶スプレーの塗料とそれ以外の塗料は相性が悪いです。

 

新車時の塗装を処置して上から缶スプレーで塗装する分には、新車時の塗装のほうが強いので適切に塗装すればそれほど問題は生じません。

 

店舗等に置いてある缶スプレーの発売元が作成したリーフレットの記載どおりに完全に忠実な作業を行えばまず問題ないと思います。

 

しかし、缶スプレーで塗装した上からプロの板金塗装を行おうとすると、プロの使用するウレタン塗料のほうが強いので、缶スプレーの塗膜が溶けて塗装の仕上がりにほぼ間違いなくトラブルが生じます。

 

なのでプロの板金塗装屋さんは、素人の施工した缶スプレー塗装の車両を非常に嫌がります。

 

プロの仕上がりレベルにするには一旦缶スプレーで塗装した部分を完全に剝離しなければならず、完全に除去したつもりでも影響が残り、ちりめん皺等が生じて手直しする羽目になります。

 

本来手際よく進められる作業に剝離作業が加わり、仕上げてもちりめん皺が生じて手直しとなるとかなりの余計な手間が加わる上に、ほとんど大部分のお客さんはそんな事は知らない筈なのでどんなに手間が掛かると説明しても聞いてくれない筈です。

 

そうなると手間だけ掛かってその分の工賃は取れないのでやるだけ損です。
オマケに遅いとか仕上がりが悪い等とケチをつけられたのではたまったもんじゃありませんw

 

キチンと説明して余計な手間がかかるので割高になると理解してくれて、その分の代金も払ってくれるお客さんばかりなら良いですが、いくら説明しても無駄だと判っているので色々な理由をつけて断るに越したことはありません。

 

プロは経験知的にこの顛末を何度も経験して痛いほど熟知しているので、各々の板金塗装屋によって応対は異なると思いますが、缶スプレーで塗装した車両の補修は断られる場合もあるので、適当に塗ってそのまま捨ててしまうクルマなら問題ありませんが、長く乗るつもりでいずれプロに依頼するかも知れないクルマだったら、よく考えてDIYでの缶スプレー塗装を選択する必要があります。

 

缶スプレーで自家塗をする際のテクニック的な注意点を期待した人はゴメンナサイww

全くの初心者が初めて缶スプレー塗装する時の注意点はいずれ書きたいと思います。