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【第五弾】トヨタの旧車を例に型式名のしくみを解説・入門編【車両型式】

前回T40系コロナを例にして、トヨタの旧車の車両型式の法則にイレギュラーが生じ始めた事を述べました。

今回は更にややこしい話となります。

  •  同一プラットフォームの別車種

T40系コロナでは、クルマのバリエーションが増えすぎた為にT40系といいつつ40番台と50番台を用いるイレギュラーが生じ始め、以降この法則が定着していった件について記述しました。

www.cutlass70.com

今回はさらに複雑な、同一プラットフォームなのに違う車種の扱いについての話です。

 

  • 新たに加わった車両型式の法則。

これまではボディ形状やグレードが増大した事に対する車両型式の法則の修正で対処できる範囲の事柄でしたが、新たな法則を生み出す事案が生じてきました。

 

1970年代に入るとクルマのバリエーションを更に増やすために、同一のプラットフォームを利用して複数の車種が生産されるようになりました。

そしてカリーナとセリカが登場します。

 

カリーナの基本的な車両型式は、プラットフォームがAなのでT型エンジン搭載の(T)カリーナの(A)初代(10)という意味で、TA10となります。

1stCarina1600GT.jpg
Ypy31 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる:画像出典

 

ところが同時発売のセリカもカリーナと同じプラットフォームなのです。

 

なので同じA10を使用出来ない為にカリーナをA10系、セリカをA20系からスタートする法則を採用しはじめました。

 

見た目の印象がだいぶ異なるカリーナとセリカですが、中身の基本的な部分は共通です。


見た目だけでコロッと簡単に騙される一般民衆の心理を巧みに利用して、カリーナとセリカは成功しました。

1970 Toyota Celica 01.jpg
Mytho88 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる:画像出典

 当初のうちはA10系のカリーナとA20系のセリカで型式名を割り振れていました。

 

とはいえボディバリエーションの多いカリーナは、10番台の中で1400/16002ドアセダン・1400/16004ドアセダン・1400/1600ハードトップ・1400/1600バン、T型エンジン・R型エンジン等のバリエーションを区別する為に

TA10/TA12/TA14/TA15/TA17/TA18/RA10/RA11/RA13/RA14/RA15/RA16/RA17/TA16V/TA19V
と、10番台フル活用で無茶苦茶煩雑ですw

 
その後販売された、形式名を広告に利用したカローラさんまる(E30系カローラ)やスターレットも、
  • カローラ E30系
  • スプリンター E40系
 
  • パブリカ P30系
  • スターレット P40系

といった振り分けになりました。

 

ところが、1975年頃に行われた大規模な排気ガス規制で、大部分の国産車は各車種に大掛かりな排ガス対策の改造を施す事になりました。

 

この時排ガス規制に適応させる為に新しい型式名となった為に、トヨタ車の車両型式に番狂わせが生じます。


クラウンはS80系として80番台90番台(ハードトップ)を用いていたのが、対策の済んだ100番台が加わった後セダン・ハードトップ共に100番台へ以降して、対策の緩いバンの80番台と対策済み100番台の展開。

 

E30系カローラとE40系スプリンターも、カローラに対策済みの50番台、スプリンターに60番台が加わった後に、対策がほぼ免除のカローラバンの30番台以外はカローラ50番台、スプリンター60番台に移行。

 

この時にカリーナとセリカにはA30番台が混在してしまいました。


カリーナにTA30やTA31・RA31、セリカとセリカLBにTA35やRA35が設定されました。

 

型式名の番台だけで車種を判別出来ないケースの発生です。

A30系と言っても、それだけではカリーナかセリカか判別不能となりました。

 

この為、これまで述べてきたトヨタの旧車の車両型式の法則はこの時点で崩れました。

 

以降は基本的な法則はそのまま、個別にイレギュラーが生じたようです。

 

当方はこの年代になると興味が薄れてしまう為に、以降の紆余曲折には詳しくありません。

  • 排気ガス規制

1975年頃の排気ガス規制から車両型式の先頭に、どの規制に適合しているかを示すアルファベットが加えられました。

 

車検証を見ると、多くのガソリン乗用車はE-〇〇〇(イー・ハイフン)となっていると思います。


旧車談議の場合には、この排ガス規制のアルファベットはほぼ略されると思って良いと考えられます。

 

逆に大型トラックやバスの場合、この記号がかなり重要になって来るので、バスやトラックのマニアは排ガス規制のアルファベットを出してくる傾向が強いと思われます。

 

因みに1975年頃の排気ガス規制の時、カリーナとセリカはパッと見での外見は余り変わりませんが、触媒の取り回し等の関係で全長・全幅・ホイールベースがかなり変更になっています。

 

また、カローラはE30系から排ガス規制で50番台に移行しましたが、通称は「さんまるカローラ」で「ごーまるカローラ」と言ってもほぼ通用しないと思われます。

 

次回でトヨタの旧車を例に型式名のしくみは最終回の予定です。

 発売当初から大人気だった初代セリカは、1970年代当時から無数のプラモデルが発売されていました。こちらは最新の金型なのでスケール的にかなり忠実なモノと思われます。

ワタナベのホイールは純正ではなく社外であると知って下さい。


ハセガワ 1/24 トヨタ セリカ 1600GT プラモデル HC12

 

トミカの1600GT、TR22-MQです。こちらは純正の樹脂製ホイールカバーが再現されています。


トミカリミテッド 0010 セリカ1600GT

 

アオシマの1/24プラモ、排ガス対策後の最終1977年式A30番台RA35です。

同じLB2000GTでも1976年式は排ガス対策適合前のRA28となります。

もちろんグリルやテール周りのディティールは後期型が再現されています。


青島文化教材社 1/24 ザ・モデルカーシリーズ No.37 トヨタ RA35セリカLB2000GT 1977 プラモデル

 

画像で2ドアと見間違いました。4ドアの1600STなのでTA12-KSRとなるのでしょうか? マイナーチェンジ後のⅡ型グリルのようです。


トミカリミテッドヴィンテージ TLV-N12a トヨタカリーナ 1600ST (白)

 

こちらは4ドアの1600DXなのでTA12-KDとなるのでしょうか? マイナーチェンジ後のⅡ型グリルのようです。STとホイールカバーの意匠が異なるようです。


トミカリミテッドヴィンテージ TLV-N12b トヨタカリーナ 1600DX (茶)

 

初期のⅠ型グリルで1400DXの4ドア、TA10-KDでしょうか? リボンタイヤが再現されています。


トミカリミテッドヴィンテージ TLV-N14b カリーナ1400デラックス (ゴールド)

 

1/43スケールのカリーナです。TA12-MSとは1600STとなります。普通はトップモデルでツインカムの1600GTをモデル化したがる筈なので、逆に珍しいです。


NOREV 1/43 TOYOTA トヨタ カリーナ TA12-MS型 1970 青 初代

 

○○のすべての旧シリーズですね。キンドル版です。


【完全復刻版】 モーターファン 日本の傑作車シリーズ 第6集 セリカ/カリーナ 完全復刻版 モーターファン 日本の傑作車シリーズ
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