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アメ車旧車を中心に、クルマにまつわる話を綴ります。

【レストア?】遂に完成!納車・アメ車1970年式カトラスの外装大規模補修【感想】

という事で、当方のカトラスの作業は完了し引き取りに行きました。

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  •  今回初めて依頼してみての感想

先に依頼してからの一連の感想を述べて、後から具体的な内容を話します。

  • 最終的には大成功・大満足

今回は、本来は作業前に見積りを出しても実際には誤差が生じて追加作業が発生してもおかしくないような費用を算出しにくい仕事に対して、依頼者側にも受注者側にもリスクが高過ぎる「指し値」という通常あり得ない発注方法をとったので真似は出来ないと思いますが、総額のリミットを設けて発注したのはこちらとしては大成功でした。

 

結果的には予算キッチリで想像以上の良い仕事をして貰う事が出来ました。

 

仮にキチンと見積りを出して貰うと、リンク先のように細々とした項目が積み重なるのでとても100万円では収まらない仕事内容でした。

レストア・ブログ―カー・マガジン・ガレージ: モーリス1100のレストア 第3回(見積もり編)

逆にこちらで金額にリミットを設ける以上、具体的な工法などには一切口出ししないで一任する覚悟は絶対必須です。

 

途中で中途半端に口を挟むのなら、口を挟む度に追加変更を見積もって金額も変わるのが筋です。

 

なので完璧で完全に思い通りな状態にはならないという認識を、発注前から持っている必要があります。

 

レストア的には不足な額とは言え100万円といえば大金なので、つい完璧を求めてしまいがちですが、100万円も出したんだから・・という意識が強い人には完全に向かない方法なので絶対にマネしないで下さい。

 

実際には指示通りではない点もありましたが、それ以上の遥かに濃密な仕事をしてくれたので文句は言えませんw

 

最後に前回と重複しますが、やはり依頼する側も、ある程度のクルマの構造や部品の有無等の知識と部品調達を行える行動力、具体的にどんな作業が行われるのか?を理解出来るだけの知識と、引き渡された後の若干の整備や調整のスキルは必要だと感じました。

 

何もかも人任せで、自分の思い通りの物が得られる程甘くはないです。 

 

当方は外せる外装部品は極力外してから施工を依頼して、手元に戻ってから自分で装着しましたが、この程度のスキルは必須です。

 

また、エンブレムやゴムシール等を施工中にアメリカから輸入して手元に戻ってから自分で装着しましたが、自分のクルマの部品の有無等を掌握する事と、ソレを自分で調達出来る能力も必要です。

 

今回は部品が無くて作業が滞るような場面はありませんでしたが、国産旧車などの場合だったら部品が無いと作業が止まってしまう場合も考えられますし、アメ車でも国内在庫がないパーツや国内パーツが尋常でない程高価な場合には、取り寄せに2~3週間は必要です。

 

旧車に乗る以上、その辺の情報と供給体制も構築しておいたほうが良いですね。

 

 

  • 引き取り後

 

話を時系列に戻します。

 

電車を乗り継いで、更に駅から送迎されて工場で久々に自分のクルマに対面しました。

 

想像以上に手間を掛けてある事が伺える仕上がりでした。

 

唯一の難点は、外されたフェンダーのエンブレムの取付穴が塞がれていまっていた事でした。

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元の穴位置を掌握していないので、再度エンブレムを装着するのにかなり難儀する事になります。

 

その場で揉めても仕方がない上に、クレームを付けた処で解決する問題でもないので一言だけ指摘して受領しました。

 

残金の残り50%の代金+税額を支払って帰宅しました。 

  • 帰還後の作業

 月極駐車場に戻ってから細部を確認してみました。

 

元々総額のリミットは決めてあり、その額で全て完全に補修する事はそもそも不可能なので、どういった補修の采配をしたのかチェックしてみました。

 

最優先のリアウインドウ下端部の穴は要望通り溶接で塞がれているようです。

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腐食して過去のパテ埋め処置が割れていたフロントフェンダー下端は、患部の上から新しい鉄板を巻いて修復してありました。

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切り継ぎ溶接よりは簡易的な方法ですがフィラーで埋めるよりは理想的な補修方法です。

 

トランクリッドの端部も同様の処置でした。

 

ドアの内側等はサビを落としてボディ同色で塗装した状態ですが、ボンネット・トランク全ての開口部は一通り塗装されており、元色が見えないよう処置されていました。

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助手席ドアの底部は腐食して鉄板が失われ、完全に大穴が開いていましたが、こちらは防錆処理をして塗装したのみでした。

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限られた予算で修復するという事は、こういう事です。

 

その他ドアを閉めると見えなくなる部分の腐食した箇所は、鉄板の溶接ではなくフィラーを使用して穴を埋めているようでした。

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限られた予算で、全ての腐食部分を鉄板の溶接で補修する事は無理です。

 

このように予算に合わせて臨機応変に処置してくれました。

 というより予算以上の仕事でした。

 

年末にクルマが戻ったので、年末年始は外したパーツの取付けを行いました。

 

モール類は樹脂製のクリップで固定されていますが、破損していた部分もあったのでアメリカで探して取り寄せておきましたが、サイズが合わない物が多くありました。

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この辺は実際に手元に物が来てみないと判らない品ばかりなので、絶対に失敗したくない人には向きませんね。

 

コーションラベル類も取り寄せておいたので、貼り替えました。

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この辺は、スカG等のメジャーな国産旧車以外の車種では手に入りそうにないので、事前に画像を撮影しておいてデジタルで自作する等の創意工夫が必要ですね。

 

ドアのゴムシールも新品に交換しました。

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ボロボロのゴムシールをかなり苦労して再装着していたようなので、再装着しなくても良いと指示を出しておくか、新品を渡しておけば良かったです。

 

最も苦労したのは、フロントフェンダーのモールとエンブレムです。

 

これらは先にフェンダーに装着した後からフェンダーをボディに取り付けるという謎な構造の為に、フェンダーが装着されてしまった状態からは、正規の方法で取り付けるには高度なスキルが求められます。

 

モールもエンブレムもネジが切ってあるスタッドを、フェンダーの取付け穴に挿して内側からスピードナットで締め付ける構造なので、フェンダーが付いた状態だと狭いスペースでスピードナットをスタッドに通して締め込む事に、アクロバット級のテクニックが要求されます。

 

そもそもエンブレムのほうは、取付穴すら埋められてしまっているので、元の穴を探す事から始めなければなりません。

 

ドアを開けた際に見える僅かな隙間からフェンダーの内側を覗き込んで、クルマ用のバールや特殊な長いペンチ等を購入してかなり悪戦苦闘しました。

 

幸いエンブレムのほうは、スタッドとスピードナットがフェンダーの内側に残っていたので、狭いすき間からバールでスタッドを折る事で元の取付穴の位置が判明し、外側からドリルで開孔しました。

モールの方は内側からナットは締められないのと、クリップが欠品しているのでホームセンターで使えそうな自動車用のファスナーを数種購入して、ソレを加工して両面テープでボディに装着しました。

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エンブレムはスピードナットが掛けられないので、ビニールチューブを切ってスタッドに押し込みましたが、かなり苦労しました。

 

他にドアの水切りモールも、社外の新品を取り寄せておいたので交換しましたが、社外品が雑な造りでかなり加工しないと装着出来ずに苦労しました。

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この辺の仕上げまで店に依頼していたら、当方の予算では無理ですね。

 

コレで取りあえずカトラスの外装大規模補修は完了しました。

 

次回はその後の顛末です。