という事で、府中三億円事件シリーズの第三弾です。
三億円事件のクルマネタと団地の話題と真犯人??に絞ります。
府中三億円事件の概要に関しては、前回、前々回記したので割愛します。
下の動画を観るか、最後に前の記事をリンクしますのでそちらでご確認下さい。
- 府中三億円事件
府中三億円事件に関しては思い入れが強いので、書きたいことがたくさんあり過ぎ、まとまりませんでした。
なのでクルマネタと、三億円事件に関わった団地の話と真犯人?について書く事にします。
それでも長過ぎたので、今回はクルマ編です。
- 三億円事件のクルマたち
府中三億円事件には、多くの車が関わっています。
- 1964年式 セドリック G31型
- 1966年式 カローラDX 2ドア KE10
- 1968年式 カローラDX 4ドア KE10
- 1967年式 スカイライン2000GT S54A?
- 1966年式 スカイライン1500 S50系?
- 年式不明 ブルーバード 410系?
- 年式不明 サニー B10
- 年式不明 ホンダドリーム
- 1968年式 ヤマハスポーツ350R1
- 1964年式 セドリック G31型
被害に遭った日本信託銀行の現金輸送に使用された車両です。
画像出典:
下の画像はLPG車ですが、被害車両も同じフルカバーのホイールキャップでなくハーフキャップなのでガソリンのスタンダードかと思われます。
画像出典:自動車ガイドブック
著しく間違い続けられていますが、H31セドリックではないと強く強調したいです。
三億円事件を再現した映像の内、再現度の高いものでも、もれなくH31セドリックが使用されています。
H31セドリックというと旧車趣味の世界では一般に、初代30型セドリック(俗称タテ目のセドリック)のマイナーチェンジ版の31型セドリック全体を差して、俗称でヨコ目のセドリックとかH31セドリックと呼ばれています。
しかしH31セドリックだと、厳密にはヨコ目のセドリックの中の上級グレードのセドリック・カスタムのみを指す事になってしまいます。
実際に被害に遭った車両はH31セドリック(セドリック・カスタム)ではなくG31セドリック(1900スタンダード)のように見えます。
明日12月10日は1968年に、府中刑務所裏の学園通りで現金輸送車が強奪された三億円事件が発生した日です。
— アメ車☆旧車ライフ☆カトラス (@70_cutlass) 2020年12月9日
再現映像でH31セドリックが多く使用されていますが、
盗まれたセドリックはH31(カスタム)ではなくG31セドリック(STD)だったと強く主張したいww
後ドアとホイルベースが6センチ違う🤪 pic.twitter.com/7YxK439pvU
ヨコ目のセドリック(5ナンバーセダン)は
- H31 カスタム
- G31 デラックス・STD(他にディーゼル&LPG)
- 31 1500(STD)
という構成で、後席ドアの長さの違いで全長に
- H31 4650mm
- G31 4590mm
- 31 4490mm
と、三通りの差があり、H31とG31ではホイールベースも6センチも違います。
なので、ヨコ目セドリックのバンやワゴン(VP31/WP31)をH31セドリックのバンとかワゴンと呼ぶ事は、便宜上通じますが本来は正確ではないのです。
このようにH31セドリックはヨコ目セドリックの俗称だということを知った上でH31セドリックと発言して欲しいです。
- 1966年式 カローラDX 2ドア KE10
現金輸送車のセドリックをフェンダーミラーで確認しながら前走して、ニセ白バイに乗り換えるまで使用した盗難車です。
画像出典:
事件当時は雨でしたが、第三現場の空き地で発見された際にはワイパーは動いたままで半ドアで窓は開いた状態だったとの事です。
現金輸送車のセドリックを後方に確認しながら走行させた為か、助手席側のフェンダーミラーの付け根のフェンダーが歪むほど強い力で、ミラーがタテにセットされていたようです。
車両は11月30日深夜から12月1日朝の間に、日野市の平山団地の近くの鮫陵源(こうりょうげん)という料亭の車が付近の車庫から盗まれた物です。
多くの記述で、長年の伝言ゲームのお陰で鮫陵源の敷地内から盗まれた事になってしまいましたが、実際には画像のように鮫陵源の道を挟んで対面にあった簡易的な車庫から盗まれたようです。
画像出典:
住人に気付かれないように手押しで移動させて、離れた場所でエンジンを直結して逃げたようです。
被せられていたボディカバーは蛇腹状に畳んで置いてあったとの事で、カバーが掛かっているクルマを盗んだという事は、事前に下見した上で盗んでいる可能性が高いです。
- 1968年式 カローラDX 4ドア KE10
犯人が国分寺史跡、本多家墓地付近の第二現場で現金輸送車のセドリックから三億円の入ったジュラルミンケースを載せ替えて逃走した盗難車です。
タイヤ痕や盗難車リストなどから、多摩平団地で12月5日深夜から6日朝の間に盗難された車と判明し、ナンバーが「多摩5ろ35-19」だった事から多摩五郎と名付けられて行方を捜索されます。
事件から4か月経過した、翌1969年4月9日に小金井市の本町団地の来客用駐車場で、トヨタ東京カローラ田無営業所のセールスマンが、カバーを被せた状態のカローラを発見しています。
画像出典:
自衛隊が撮影した航空写真で確認したところ、犯行翌日の12月11日にはこの場所に放置されていたと判明しています。
鮫陵源で盗まれたカローラが2ドアなのに対して、こちらのカローラは4ドアです。
ジュラルミンケースを3個積むためにわざわざ4ドアをマークしておいて盗んだようです。
このカローラに被せられていたボディカバーは、11月25日深夜から26日朝の間に豊田駅前の商店街で盗まれた物でした。
ちなみにKE10初代カローラは鮫陵源で盗まれたカローラが2ドアは66-67年式のⅠ型で、4ドアの多摩五郎は68年式のⅡ型、69年に1100ccから1200ccのⅢ型に変わっています。
Ⅰ型カローラ2ドアDX
画像出典:自動車ガイドブック
Ⅱ型カローラ4ドア グリルが変わっています。
画像出典:自動車ガイドブック
Ⅲ型カローラ4ドア1200 1100から1200になったので形式がKE10からKE11に替わっています。グリルも違います。
画像出典:自動車ガイドブック
細かく覚える必要はありませんが、皆同じではなく違いがあるという事は学習して下さい。
- 67年式 スカイライン2000GT S54A?
事件前年の1967年12月13日深夜から14日朝の間に、東久留米市のひばりが丘団地に近い本願寺の墓地の空き地で盗まれています。近所の住人達は、墓地の空き地を駐車場代わりに使用していた様子です。
画像出典:自動車ガイドブック
この車は1200キロ近く乗り回された挙句に、多摩五郎カローラと同じ小金井団地の別の場所にカバーを掛けて乗り捨てられていたようです。
発見時にはトランクの鍵は壊されて、リアシートは外されていたようです。
このスカイライン2000GTに被せられていたボディカバーは、1967年の12月25日深夜から26日朝の間に府中の晴見町団地付近の商店街で盗まれた物でした。
三億円事件の為に盗んだというより、不良グループが盗んで乗り回していた車両が、三億円事件の下準備にも利用されたという感じのようです。
- 66年式 スカイライン1500 S50系?
画像出典:自動車ガイドブック
1968年の8月21日深夜に、小平のブリジストン社宅から盗まれています。
こちらも多摩五郎カローラと同じ小金井団地の別の場所に、カバーを掛けて乗り捨てられていたようです。
発見時にはトランクの鍵は壊されて、運転席のドアが撤去されていたようです
- 年式不明 ブルーバード 410系?
8月13日深夜に、ひばりが丘団地の端から盗まれています。
こちらも多摩五郎カローラと同じ小金井団地の別の場所に、カバーを掛けて乗り捨てられていたようです。
こちらはニセ白バイ以前に偽パトカーの改造用として盗んだものの、断念して乗り捨てたようです。
- 年式不明 サニーDX B10
9月10日深夜から11日朝の間に、調布市の多摩川住宅で盗まれています。
その後、翌1969年4月22日?に立川市の富士見町団地で発見されています。
この車は発見されるまでに1500キロも乗り回されていたようです。
- 年式不明 ホンダドリーム
11月9日の早朝に八王子市の石川町で盗まれています。
本来この車両を白バイに改造する予定だったようですが、低速時にノッキングする不具合があった為に使用を断念して、9月11日にカローラ等を棄てた小金井団地の隣の小金井公務員住宅の自転車置き場に棄てています。
盗んだ時と投棄した際の2回、犯人は目撃されています。
- 1968年式 ヤマハスポーツ350R1
ニセ白バイに改造されたバイクです。
11月20日に日野市の平山団地で盗まれています。
盗難に遭った被害者は、新車を買ってまだ数週間で大事にしていて、盗まれた日も店で風防を付けてもらったばかりでした。
それまで部屋の出入り口の脇の樹に鎖で繋いで保管していたのに、たまたまその日だけ鎖を繋がずバイクの鍵も差したまま就寝してしまったとの事です。
平山団地では事件直前の12月8日から9日朝の間にスバル360用のボディカバーも盗まれており、平山団地付近では、
- 11月20日にヤマハスポーツ350R1
- 11月30日に鮫陵源のカローラ
- 12月8日にスバル360用のボディカバー
が盗まれています。
このバイクは白バイ改造前は青色で、盗難後に高幡不動や百草園、八王子・昭島等で目撃されています。
特に11月27日には府中市の分梅周辺で頻繁に目撃されていて、竿竹売りのリヤカーに追突して当て逃げ事故も起こしています。
当時はまだ新府中街道(都道18号線)本宿トンネル付近は跡形もない時代で、この日に御狩場道からNEC府中事業場周辺で、盗難車を現金輸送車に見立てて犯行当日の予行演習を繰り返していたものと思われます。
12月1日と6日に昭島市のガソリンスタンドで白バイ改造前に給油されているので、白バイへの塗替えは12月7日8日に行われたと思われます。
この12月6日~9日は日野・豊田・八王子・昭島の店舗で、二人組の若者が白い缶スプレーや今のハイマウントストップランプに相当する後付けストップランプ、メガホン等を探し回っています。
12月7日から9日に八王子の中野山王団地付近で、シートを掛けた白バイやバイクを白く塗装している姿を多く目撃されています。
犯行当日の早朝には、豊田駅や日野自動車本社付近で偽白バイとして目撃されています。
朝6時頃には第三現場の府中市栄町の空き地で、エンジンを掛けたまま12月8日に盗んだスバル360用のボディカバーを掛けた状態で置いてあるのを目撃されています。
そして9時25分ごろスバル360用のボディカバーを引きずったまま、府中刑務所裏の学園通りで、日本信託銀行のG31セドリックを停車させて強奪、その場に乗り捨てます。
白バイへの偽装は周到な計画とは裏腹の稚拙な物で、12月7日か8日のたった一日か二日で大急ぎで塗り替えたような雑な仕上がりで、几帳面に塗ってある部分と適当に塗ってある部分の落差が激しいので、性格の異なる数名で塗装している痕跡がみられます。
後部の書類入れはクッキー缶を白く塗ってビニールテープを巻いて固定しただけ、警光灯に見せたストップランプは、タオルハンガーにストップランプをホースバンドで固定して工作、スイッチも付けて点滅したようですが、配線は小学生の工作レベル
ストップランプの自重でランプがお辞儀してしまうので、セロテープで無理矢理垂れ下がらないように押さえるお粗末さw
エンジンガード(サイドバンパー?)には転んでぶつけた傷があり、これは白バイ偽装用にサイドバンパー?に装着した盗品のメガホンが、左にハンドルを切った際に干渉してハンドルが曲がらずにコケた痕跡のようで、この際のライダーは負傷した様子です。
この為盗品のメガホンは一旦外して八王子の中野山王団地から府中まで白バイを回送し、当日の犯行直前にビニールテープでぐるぐる巻きにして固定した模様です。
偽白バイが犯行現場まで引きずって来たスバル360用のボディカバーの中には、犯人がヘルメットを被る際に脱いだハンチング帽と、盗品のメガホンをバイクに付けた際に使用したと思われる簡単な工具類が入った工具箱が出てきました。
これだけ時間を掛けて入念な計画なのに、肝心の偽白バイが白バイに実在しないヤマハだったり仕上げがお粗末なのは、当初白バイに改造する予定で盗んだホンダドリームが不調で急遽にヤマハに変更した上に、東芝府中のボーナス支給日が12月15~20日と予測してスケジュールを組んでいたのが、12月10日と予想よりかなり早く、ボーナス支給日が東芝の労使の話し合いで決定したのが11月14日の深夜11時で、犯人が最速で知っても翌11月15日と犯行までの時間が予定よりかなり短くなってしなった事が原因です。
更に計画は事前に爆破予告の脅迫状を送付してニセ警官を信用させるプロットなので、脅迫状を事前に送って脅迫状通りに従わせる必要があり、それには日曜日は銀行が休みなので、12月7日の土曜日の朝には日本信託銀行に脅迫状が届いている必要がありました。
早く確実に郵送するには直接本局の郵便局の窓口へ出せば良いのですが、脅迫状を窓口に出す訳にはいきません。
となると国分寺の本局の郵便局の直近のポストへ集荷前に投函する必要があり、それに間に合わせるために12月5日から6日に脅迫状を投函しています。
この為脅迫状も12月4~5日までには書かなければならず、最初は雑誌の活字を切り抜いて原稿用紙に一文字ずつ文字を貼り付けていたものが、時間切れで途中から手描きになっています。
事件後盗まれたバイクの持ち主は、再三警察にバイクの返却を求めますが応じて貰えず、残ったローンだけ払い続け、何年も経ってから寄贈というカタチで警察にバイクを譲り、警察はバイクのローンの残金だった19万円を被害者に渡しました。
という事で、団地の話は次回
ヨコ目セドリックです。さすがにH31とG31を作り分ける事は無く、タクシーもH31でした。
トミカリミテッドヴィンテージ TLV124aセドリック カスタム(黒) 完成品
1/24プラモデルのS54A&Bです。
フジミ模型 1/24 インチアップシリーズ No.78 ニッサン スカイライン 2000GT S54A/S54B プラモデル ID78
プリンス時代のS54Bです。
トミカリミテッド 0118 日産スカイライン2000GT-B 日本GP仕様
1968年当時白バイははCB450で、CB750K0の白バイは1970年からのようです。しかもメインは750でなくCB500や650だったようです。
スカイネット 1/12 完成品バイク ホンダ CB750FOUR (K0) 白バイ
楽天で見つけたカローラです。
1200のⅢ型ですが、4ドアです。
【絶版品】TLヴィンテージ トヨタ カローラ 1200 4ドア グリーン
Ⅰ型の2ドアです。
【新品】トミカリミテッドヴィンテージ LV-55a トヨタカローラ 1100 2ドアセダン(白) 240001008717