と言う事で、今回は会社が潰れて未払いだった給料が支払われるまでの実際を、手元に残っている実際の書類の画像を付けて時系列で記します。
- はじめに
自分はテイカーが大嫌いなので、結果だけしか見ない人は今すぐココで去って下さい。
この一連の記事に記載した話は当方が体験した事案なので、当然ですが他の個々のケースで顛末は異なる筈です。絶対にこれと全く同じ経過と結果にはならないという前提で記事を読んで下さい。
- 未払賃金立替払制度
給料が未払いのまま会社が倒産して失業した場合、未払賃金立替払制度というのがありますよ~と紹介するブログは、ググれば掃いて捨てる程出てきます。
しかし、どの記事も実際に給料が未払いのまま会社が倒産した人が書いた記事ではないので、知識を見せびらかしているだけでそれ以上の本当の現実に言及する力のない人達の記事です。
当方が当事者になった頃、実際に未払賃金立替払制度を申請した記事は1本だけでした。
しかも「未払賃金立替払制度を申請しました。」で終わっていてその後の展開は不明でした。
その為、その先が知りたくていくら未払賃金立替払制度の事をググっても、未払賃金立替払制度というのがありますよ~と判で押したような文言が出てくるだけで、この先いつ、どのような結末になるのか全く判らず、長い間悶々として不安な日々が続きました。
当方と同じように、給料が未払いのまま会社が倒産して失業した人の悶々として不安な気分が、少しでも緩和出来ればという思いでこの一連の記事を書いています。
今回は無料で誰でも見れる環境なので、具体的な年月日や金額はぼやかす方向で公表します。
もし需要があれば、有料のnoteでもう少しだけ具体的な年月日や金額まで記しての販売も検討します。
購入の要望があれば、コメント欄に記入願います。人数によって検討します。
時系列を羅列すると
- いきなり会社が倒産
- 離職票が届く 倒産から1週間~10日後
- 裁判所から書類が届く 倒産から2ヶ月ちょっと後
- 書類再提出 倒産から5ヶ月ちょっと後
- 立替払い請求書の提出 倒産から8ヶ月ちょっと後
- 立替払い金入金 倒産から9ヶ月半後
- 異議通知書が届く 倒産から1年半後
- 入金 倒産から1年3ヶ月後
- 最後配当の通知 倒産から1年3ヶ月ちょっと後
- 入金予定 倒産から1年3ヶ月半後
です。
- 解説
いきなり会社が倒産
前触れもなく突然会社が倒産しました。
本社と100キロ離れた他県の工場なので、本社の対応で社長はこちらへは顔を見せず、当方の勤務する工場には本社から専務と常務が来ただけでした。
専務と常務からは特に今後の説明はなく、未払賃金立替払制度のサイトの画面をコピーして綴じた物を配られ、口頭で弁護士の住所を述べただけでした。
しかも弁護士は文通でしかやりとりせず、電話での応対はしないとの事でした。
会社は給料の遅配をしていたので、古参の社員は皆3ヶ月分の給料が未払いです。
この日以降会社の役員達と顔を合わせていません。
社長からは、倒産から2ヶ月ちょっと後に詫びのハガキがペロンと1通届いたのみでした。
この日に会社は閉鎖したので、私物はその日のうちに持ち出しました。
置き忘れると後からは簡単には出せなかったと思います。
当方は眼鏡を忘れた事にあとから気付きました。
- 離職票が届く
倒産から1週間~10日後くらいに、会計事務所から失業保険関連の書類と源泉徴収票が届きました。
この時届いた「雇用保険被保険者離職票―2」には離職日以前の賃金支払状況が記載されています。
2ヶ月後に届く、裁判所に提出する「破産債権届出書」に必要事項を書くのに役立ちます。
但し失業保険の手続きの際に提出してしまうので、コンビニ等でコピーを取ったりスマホで撮影しておく必要があります。
そんな事は誰も教えてくれないので、バカや間抜けはコピーしないで失業保険の手続きで提出してしまい、2ヶ月後に破産債権届出書を記入する時になってから後悔する事になります。
失業保険関連は、ググれば腐るほど出る筈なのでココでは割愛
- 裁判所から書類が届く
倒産から2ヶ月ちょっと後、裁判所から「破産債権届出書」が届きました。
債権(未払いの給料など)の必要事項を記入して、破産管財人に期限までに送付します。
- 書類再提出
倒産から5ヶ月ちょっと後、破産管財人から提出した「破産債権届出書」の内容の一部を修正して再提出するよう案内が届きます。
破産債権届出取下書及び破産債権届出書再提出のお願い
指示通りに修正して、破産管財人に期限までに送付します。
- 立替払い請求書の提出
倒産から8ヶ月ちょっと後、破産管財人から「未払い賃金の立替払い請求書」が届きました。
未払賃金の立替払請求書
見本を見ながら必要事項を記入して、破産管財人に期限までに送付します。
- 立替払い金入金
倒産から9ヶ月半後、未払賃金立替払い決定・支払い通知書というハガキが届き、指定した金融機関の残高を確認すると、通知された額が入金されていました。
ひとまず未払いの給料をまるまる踏み倒される事は避けられました。
しかしこれで終了なのか?残額も支払われるのかは不明です。
残りは期待せずに、一応コレで終わりだろうと判断を下しました。
- 異議通知書が届く
倒産から1年半後、破産管財人から異議通知書が届きました。
社員の賃金は他の債権より優先されるので、提出されていた破産債権届出書の債権のリストから外して優先して受け取れる額として受け取るか、債権として受け取る手続きを行って配当が確定してから配当金として受け取るかを選択して必要事項を記入して破産管財人に期限までに送付しろという指示なのですが、まわりくどい言い回しなので、一見すると破産債権届出書に書いた額が認められなかったようにも受け取れました。
異議通知書は、何度も読み返して文言の意味を理解しないと、文章の理解力が低い人は文言と真逆の損する方向を選択する場合もあります。
指示通り、振込送金依頼書を破産管財人に期限までに送付しました。
- 入金
倒産から1年9ヶ月後、異議通知書のに記載されていた額が指定した金融機関に入金されていました。
ハガキも送付された筈ですが、誤って廃棄してしまったようでハガキは未確認です。
これで一応、ほぼ満額受け取れた事になります。
- 最後配当の通知
倒産から1年9ヶ月ちょっと後、最後配当の通知がありました。前回受け取れなかった配当金に相当する額が配当されるので、振込送金依頼書を破産管財人に期限までに送付しろとの指示です。
最後配当の御通知
指示通り、振込送金依頼書を破産管財人に期限までに送付しました。
- 入金予定
配当金の振込送金依頼書は送付したので、コレが入金されれば未払いの給料は完全に支払われ、この件は完全に決着がついて終了です。
- まとめ
今回のケースでは、完全に決着が着くまで倒産から1年10ヶ月ぐらい掛かりました。
一応決着は着くものの、時間は掛かるという事です。
当然経営者が全て投げ出してトンズラしたケースや、債権に充てる資産が不足した場合などはこうならないと思います。
当初予告した、「倒産へのパターンと潰れやすい会社」と「各事案で異なる倒産後の展開、実例3パターン」をまとめて1話として、「忘れられない不愉快極まりない体験」は封印する事にしました。