という事で今回は「三菱ロゴの家」と名付けられている謎の建物を辿ってみます。
- アニメ「スーパーカブ」について
まず、これまで連続してきたアニメ「スーパーカブ」の話題をやめた件ですが、当方は劇中に登場する実在する場所の話題を軸にスーパーカブ関連の話を書いてきました。
ところが第11話では、新たに話題にするような場所が出てこなかったので感想記事を書こうかとも思いましたがやめました。
12話も、仮に九州方面だったとしても当方は土地勘がないので書けません。
スーパーカブネタはフェードアウトになりそうです。
今回は建物ネタですが、クルマと全く無縁ではない建物なので当ブログで扱う事にします。
- 「三菱ロゴの家」って?
Twitterで旧いタクシー車庫の話題をしたところ、意外と反響がありました。
なので他に建物ネタはないか?と言う事で次に上野原の旧い元映画館の話題を出しましたがそちらはイマイチw
最後にこの「三菱ロゴの家」を出したら結構反響があり、今現在で約550イイねがついて驚きました。
タクシー車庫、予想外の反響で驚き&いいね感謝です👍
— カトラス☆アメ車☆旧車&イラスト (@70_cutlass) 2021年6月18日
建物ネタのラスト「三菱ロゴの家」です
見つけた当時は高めの塀でくたびれた外装でしたが
フェンスが替わり建物も補修されたようです
廃業した電器店??ずっと謎でしたが
1933(昭和8年)のガソリンスタンドとの事でした🤪 pic.twitter.com/qIQku3uihp
「三菱ロゴの家」とは文字通り「三菱のロゴマークの看板かついた建物」の事です。
- 廃業した町の電器屋さん??
当方がこの建物に気付いたのは、多分約20年前だと思います。
その頃はまだ建物の前は高めの塀で、建物もかなりくたびれた状態でした。
携帯で撮影した筈ですが見つかりませんでした。
まだググってもこの建物の事はヒットしなかった頃なので、廃業した町の電器屋さんの建物?かと思っていました。
今回タクシー車庫のツイートが反響があったものの当方は建物ネタには疎く、思い浮かんだのは上野原の元映画館とこの建物の2点だけでした。
そして久々にググったら「三菱ロゴの家」としてブログ等で話題が挙げられていて、Googleマップでも「三菱ロゴの家」と表示されるようになっていました。
建物も2015年頃?手前の塀がフェンスに変更されて、2018年頃に建物自体も塗り直されたようです。
- 個人の所有物の扱いについて
Twitterは皆で情報を共有して、似た感性の人たちとその話題で盛り上がりたいという側面があるので、たくさんのイイねやリツイートは非常に有難い事なのですが、反面一定の視聴範囲以上に拡散すると困ったことも起こります。
かつて草ヒロ系サイトの画像掲示板で、草ヒロ(廃車体)好きの間で珍しい草ヒロの情報交換をしていましたが、草ヒロ好きの間には暗黙の了解の不文律があり、廃車体の画像を出す際には周囲の風景をトリミングでカットしたり画像を加工して場所が判明しないような処置をして具体的な場所の明言は避け、その場所を知る人だけが判るようなぼんやり曖昧な場所の説明とするというものです。
珍しいクルマの画像を見たいだけで場所の情報はあまり重要ではなく、どうしても現物を見たい人は断片的な情報から自力で探し出すか、非公開の私的な連絡方法で撮影者と信頼関係を築いた後にコンタクトを取るのが暗黙のルールでした。
世の中には一定の割合で頭のおかしい人が居るので迂闊に万人に晒してしまうと、草ヒロが私有地の私有物であると理解出来ずに、部品を盗んだり破壊したりするバカが沸く為です。
実際に雑誌に掲載された希少な廃車体はバカ共によって意味もなく無残に破壊されました。
ところがTwitterで550イイね弱がつくレベル(今回は66000回表示されて11000回反応)の視聴数になると、必ずこの場所知ってる自慢をしたり、不躾に場所を問い合わせてくる人が出てきます。
今回の建物も公の文化財に指定されている訳ではなく、個人が個人の私有地で公的な支援は受けずに維持管理している建物なので、場所を大っぴらに晒すような物ではないのですが、一定の割合を超えると必ず出て来てしまう人達なのは悩ましいです。
このブログでは個人の敷地内の個人の所有物なので、積極的に場所を公表することはしたくありませんが、既にGoogleマップに表記される程度に有名な建物という判定で、記事として取り上げたいと考えています。
- 昭和8年のガソリンスタンド!
話を戻しますw
見つけた当時は情報がなかったので廃業した町の電器屋さんかと思う程でしたが、今回ググって昭和8年(1933年)のガソリンスタンドの建物の一部と判明しました。
ガソリンスタンドの建物として見ると、中央に大きな看板の意匠や建物の形状が理解できます。
但し、本来クルマの給油スペースや給油機を置くべき場所は、建物の目前に塀があり公道となっています。
と言う事で国土交通省の空中写真で調べてみました。
- ぼんやり不鮮明
調べると1961年には既に今の道路の線形になっていました。
それまでの昔ながらの細い街道から、新しいバイパス道に接続する道に変更する過程のようで、1961年時点ではまだ接続までは未開通のようです。
その後1970年頃に4車線のバイパスが整備されるので、この道も旧道へ降格します。
1961年以前の空中写真も割とあるのですが、どれも画像が不鮮明でイマイチはっきりしません。
ただ道路の線形が違っており、建物の手前に給油スペースがあるようにも見える画像もあります。
まず2019年の空中写真に注釈を加えて、状況を説明します。
- 建物の目前に街道が通っています。
- ガソリンスタンドだとすると手前に給油スペースがありません。
- 近くに線路が通り駅があります。
- 東の脇に路地が通っていて、西隣に元八百屋の建物があります。
- 線路は街道と南北に通る道と2ヵ所に踏切があります。
この状況を憶えておいて下さい。
- 1961年(昭和36年)の空中写真です。
街道は今と同じ線形です。
駅の西側に今はない踏切があります。
この街道はまだ東方面の先が出来ておらず、クルマは矢印方向へ往来していたようです。
- 1956年(昭和31年)まで戻ると状況が変わっています。
街道がまだ工事中で、1961年のクルマが通行していた細い道しかありません。
元八百屋の建物の直前に東向きに道が通っていて、三菱ロゴの家の手前に給油スペースに相当する敷地があります。
1960年前後に道路の線形が変更されて給油スペース部分が削られ、逆に八百屋から伸びていた道が塞がれて今では庭になっています。
他にも1961年の空中写真では見切れましたが南北に通る道も街道で止まっていて並行する細めの道のほうが線路を跨いでいます。
- 更に古い1946年(昭和21年)終戦翌年の空中写真です。
建物の両脇に黒っぽい何かが伸びています。元は建物が長かったとは思えないので、防火塀のようにも見えます。
街道のルートが今と違い、今は細い路地となっている道が当時の街道です。
- 1944年(昭和19年)戦時中の空中写真
残念ながら不鮮明で、三角形の敷地がある事くらいしか判りません。
- 1943年(昭和18年戦時中)の空中写真
1946年に左右に伸びていた、防火塀的な物がないようにも見えます。
- 最古の1936年(昭和11年)の空中写真
この建物が1933年(昭和8年)築だとすると建てて3年後のまだ新しい姿ですが、残念ながら不鮮明で何となく三角形の敷地があるように見えるだけです。
- まとめ
考察すると、戦前はガソリンスタンドとして営業していたものの、戦後しばらくで営業を辞めてしまい、1950年代末に街道の新道建設とそれに伴う線形改良で給油スペース部分を譲渡し、代替地として建物の裏にあった道を貰ったように思えます。
航空写真を確認したら
— カトラス☆アメ車☆旧車&イラスト (@70_cutlass) 2021年6月18日
1961年はハッキリ写っていて既にこの状態で
1954年やそれ以前がボンヤリながら
今と道路線形が異なっていて
隣の建物は同じで後ろにも細い道があり
三角州のような区画で手前が給油スペースのようでした。👍 pic.twitter.com/DwN4UA4BMc
完全な憶測ですが、戦後は消防法が厳しくなり戦前のガソリンスタンドでは要件を満たさなくなって、建て替えるには場所が狭いとか金銭的に割に合わない等の事情で、廃業してしまったか別の場所に移転したのでは?と想像しました。
いずれにしても完全ではないにしても1933年(昭和8年)のガソリンスタンドの建物が現存していて個人の財力で維持管理されているというのは非常に貴重で、歴史的な史料としても価値が高いのではないでしょうか?
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