と言う事でプラモネタ最終話では、童友社のノスタルジックヒーローズ 日産サニークーペ 1200に微妙に手を加えてみます。
加工自体は大した事ではないので、先に実車とキットについて触れます。
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B110系 ダットサン サニークーペ 1200
キット化されたダットサン サニークーペ 1200は1970年(昭和45年)デビューで、サニーとしては2世代目のモデルです。
画像出典:自動車ガイドブックVol.18
- 時代背景
日本では1960年代に入るとモータリゼーションが生じ、爆発的に自動車が普及します。
タクシーには転用不能で純粋に自家用車向けに設計された700ccの大衆車、パブリカで先行していたトヨタに対して1966年(昭和41年)に、日産は1000ccの初代サニー(B10)で対抗します。
すると翌1967年(昭和42年)にトヨタは「プラス100ccの余裕」というコピーで1100ccのカローラを新登場させ反撃しますw
そして1970年「隣のクルマが小さく見えま~す」のコピーで、1200ccに拡大された2世代目のモデルが登場します。
- サニークーペ
そんな熾烈なバトルを展開していたサニーとカローラなので、ボディのバリエーションやグレード展開も競争で、初代の時点で双方とも2ドアセダンを元に商用バンや4ドアセダン、日産はパブリカトラックに対抗するサニートラック等各種展開していき、1968年には両社ともファストバックスタイルのサニークーペとカローラスプリンターを追加しています。
- KB110
1970年登場の2世代目B110系サニーでは、クーペもセダンや商用バンと同時にデビューしています。
ちなみに1994年までの長期間販売されていたB120サニートラック(通称サニトラ)だけは1年遅れの1971年モデルチェンジで、それまでは初代サニートラックが継続販売されていました。
- レースで活躍
このKB110サニークーペは、軽量で変に奇をてらわない素直な機構と量産車の手頃な価格がレース車のチューニング素材に最適だったようで、市販車のほうが4世代目のB310になったあとの1979年頃まで、ホモロゲーションを何度も延長されてレースで入門~中級クラスのレース用として活躍していました。
1977年 富士1000km
— 三栄フォトアーカイブス(写真集) (@san_ei_photo) 2022年2月14日
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- サニークーペのキット
チープキットを除いた1/20~1/24スケールでは
- 1/20バンダイ
- 1/22マルイ
- 1/24山田模型→童友社
- 1/24東京シャープ→永大
辺りが出していたと思われます。
後年にはハセガワからサニートラックが出ました。
バンダイは未見で、東京シャープ→永大はググれば画像が出ますがプロポーションは良好なようです。
マルイ製は元はレーシングカーだったようですが、80年代に再販された際には「oh! my 街道レーサー」シリーズとして、新たにスピードスターマークⅠホイールが付属されて族車風仕様で販売されました。
プロポーションは良好なのですが、1/22スケールとやや大柄で他の1/24と並べると違和感が出てしまうのと、凹凸のないホイールアーチにオーバーフェンダーを貼る構造なので、ノーマル仕様にしたい場合にホイールアーチのプレス形状の再現に困ります。
山田模型もフォルムは概ね良好です。個人的にはリア周りに若干違和感を感じます。
もちろん当時400円程度で子供向けに売られていた品と、今の数千円の高度なキットを比較してディテールガー云々の野暮は申しませんw
山田模型の一連のカーモデルは、1990年代に童友社からノスタルジックヒーローズとしてシリーズ化されて再販したので、この時のキットをお持ちの方が大半だと思いますが、山田模型時代はまだまだカープラモデルは子供たちのアイテムで、ゼンマイやモーターでの走行可能が必須の条件でした。
特に山田模型は単純な走行以外に、リモコンや最速ギヤ、カム操舵などギミックを盛り込んだ製品の印象が強く、シャシーに搭載するメカを優先する為に内装は平板タイプだった筈で、走行には全く興味のなかった自分は、子供ながらに余計なお世話のギミックのせいで他の似た出来のキットより割高で内装も平板だったのがマイナス評価でしたw
山田模型に関しては、モデルカーズ誌300号で特集が組まれていたようなので、そちらを読んだ方が正確だと思います。
- 山田模型→童友社のKB110サニークーペ
童友社ノスタルジックヒーローズ時代には動力機構や配線は略されていたように記憶しています。
実車のスポーツ系人気グレードはツインキャブの1200GXと途中から追加されたツインキャブ5速の1200GX-5ですが、何故か山田模型も東京シャープも中位豪華版グレードの1200GLをモデル化しています。
山田模型は厳密には1200GLでオプション?の砲弾型ミラ―仕様のようですがw
Twitterでモデルカーズ誌300号の作例を見つけました。
上級者が手を加えれば、これだけ良くなる素性の良いキットです。
童友社のサニークーペ(旧山田模型製)作りました。
— Gas Angeles (@GasAngeles1) 2021年3月31日
ボディはアレコレいじくり回してハセガワのグリルをぶっ込みました。
詳しくはモデルカーズ300号の山田模型特集をご覧下さい。#童友社#山田模型 pic.twitter.com/YhOYrfIMkD
- ちょい足ししてみる
さすがに誰もがあの作例のように作れる訳ではないので、出来る範囲で手を加えてみました。
工作は非常に単純で、タイヤを輪切りにして中央の2ミリ程度を除去して接着。
タイヤを細くしてしまうだけです。
キットのタイヤは、如何にも1970年代的なエッジが角張ったラジアルタイヤですが、若干タイヤが太めで全体のバランスを崩しているように思います。
今はタイヤは大径で太くて薄いほど良いとされる風潮なのでバカにされると思いますが、タイヤを数ミリ細くするだけでもかなり印象が変わります。
結局作例を作れるような上級者は、2ミリ程度どころか0.3ミリぐらいの僅かな差異にも察知して小さな気付きを積み重ねたモデリングする事で凄い作品に仕上げているので、2ミリの違いに気付けない人は上級者は目指さないで、自分流にモデリングしたほうが良い気がします。
タイヤをスライスして細くするアイデアは自分の発想ではなく、自分の弟が編み出した物です。
接着剤は、当時はゴム系のボンドG17を使用しましたが、今はセメダインスーパーXやボンド ウルトラ多用途S・Uが適していると思います。
今ならハセガワのサニトラのタイヤ流用で、キャップレスの純正鉄チン仕様や8本スポークの社外アルミ仕様になると思います。
ちなみに純正のタイヤサイズは6.00-12、今のラジアルでは155/80R12で13インチではありませんw
当時撮影した画像を改めて見直してみると、キット付属のタイヤだと太さ以外に径もやや大き目な気がしてきました。
画像のホワイトリボンは、カッティングシートをサークルカッターで切り抜いた物なので、シャープなリボンにはなるものの、余りリアリティはないかと思います。
残念ながら、童友社のサニークーペは現状絶版状態のようです。
最近別の車種は数種再販されたようなので、再販に期待します。
※リンクは参考で購入不能です。
童友社 1/24 ニッサン サニークーペ 1200GL NH24
1/24キットのB110系サニーでは、ハセガワのGB121サニトラロングなら入手しやすいようです。
ハセガワ 1/24 ニッサン サニートラック GB121 ロングボデーデラックス プラモデル HC20
山田模型はモデルカーズ300号で特集されていた模様です。
サニークーペ以外にも、多くの作例が掲載されています。
リンクはキンドル版で、Kindle Unlimited会員なら無料で読めるみたいです。
model cars (モデル・カーズ) 2021年5月号 vol.300 [雑誌]
1/43ミニカーのサニークーペです。やはりGLではなくGXがモデル化されています。
エブロ 143日産 サニークーペ 1200 GX ホワイト 「Oldies」 43175
今回紹介したKB110の前の世代の初代サニークーペ。
1/24スケールのミニカーです。
品 現状品 アシェット 124 国産名車コレクション ニッサン サニー クーペ 1000 1968年式 ミニカー 車プラモデルサイズ 日産
タイヤをスライスして貼り合わせる場合、こちらの接着剤が適しているかと思います。
セメダイン 超多用途接着剤 スーパーXクリア スリム AX-043 P20ml
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