前回の画像生成AIの話題が全力でスルーされてしまいましたが、懲りずに画像生成AIの更に硬い話ですw
特に今後、絵描きが画像生成AIと共存していく際に問題になる点の解決策を、皆で考えて欲しいです。
おまけで、このファンアートの製作過程も掲載しました
※2023/07/20加筆修正
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敵対するAI絵師VS絵描き
先日Twitterで「ファンアートもAI画も他人の作品を借用しているという点で同じ」という発言に対する反論で、ファンアートはその作品が好きで好きで仕方がなく、どうしても自分で表現したくて絵の練習を積んで、愛情を込めて作品をリスペクトして描かれたモノだからAI画なんかとはまるで別物
という意見を目にして、述べたい事の趣旨は理解しましたが、画像生成AIを利用してファンアートを作り始めた自分としては微妙に違和感を感じました。
- モラル欠如のAI絵師
このような意見が生まれるのは、言うまでもなくAI絵師の中にモラルを欠如して、絵描きの絵を盗んでAI画にしてボロ儲けをしている連中が横行しているからなのですが、自分としては、目立つこの馬鹿どもを除外して、純粋に画像生成AIを見ると若干異なる意見になります。
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自分で絵を描ける能力
ファンアートのクリエイターは常に自身の画力の向上の為に努力をしています。
しかし99.5%は本人の努力ですが、最初の0.5%は生まれ持って与えられた「絵が描ける」という才能です。
どんな人でも努力すれば、必ず藤井聡太になれる訳ではない…は言い過ぎですが、どんな人でも頑張って努力すれば絶対に地区大会の代表選手になれる訳ではなく、持って生まれた素質も必要なのは分かると思います。
この生まれながらの天性を持てなかった多くの人は、どんなに頑張っても絵を描ける人と同じようには絵は上達しません。
そんな能力に恵まれなかった人でも、ファンとして何らかの形で自分の作品への愛を表現したい、作品をリスペクトする気持ちは同じ筈です。
画像生成AIは、何らかの形で自分の作品への愛を表現したいという気持ちを、ITの知識を学んで技術を習得すれば、自分に絵を描く力がなくても、自分も絵で作品への想いを表現出来るチャンスになったのです。
なので一概にAI画はダメと断罪してしまう事には違和感を感じます。
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不幸な進化
当初はT2I(テキストtoイメージ)で、プロンプト(呪文)と呼ばれる文章から絵を描くツールだったのですが、文章だけだと限界があるので、描かせたい特定のキャラクターだけを限定して画像を学習させたり、1枚の絵から情報を読み取って描画出来る技術が開発されました。
ココで致命的な問題が生じてしまいました。
残念ながら、絵を描くスキルがない人が言葉から絵を描くツールだったので、あとから絵を読み取って描画出来る技術が開発されても、ソレを扱う人間側が、素材となる読み取らせる為に必要不可欠な、元の絵を描く才能を持っていない無能だったのです。
結果的にスキルのない人間が、絵を描く才能のある人が描いた絵を盗んで読み込ませてAI画が生成される事態に陥ってしまったのです。
なので現状、搾取されるだけで不利益を被り続けている絵描きを救済する対策と、無秩序にやりたい放題の、悪事に関しては有能でも、自力ではろくな絵も描けない無能なインチキAI絵師に対する規制が、喫緊の問題だと思います。
絵描きが一方的に不利益を被ることなく、AI絵師も合法的に絵描きから素材になる絵を入手出来るようなシステムの整備が必要です。
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絵描きも画像生成AIを味方にしたほうが良い&重大な問題点
個人的には絵描きの人も、いつまでも画像生成AIの事をよく知らないまま盲目的に敵対視するのは損かと思ってます。
例えば自分はメインのキャラクターの描画に注力して、面倒な背景やモブはAIに任せて時間を短縮したり、労力を軽減させるとか
※AIに背景として描かせた画像 コレを数十秒で描ける人は居ない筈w
ラフ画のポージングだけAIに出させて、仕上げは自分で描くとか、コスチュームのアイデアだけAIに出させる等、活用のアイデアはいくらでもあると思います。
※これは下絵用でなく生成に失敗した画像ですが、絵の描ける人ならコレをそのままでも、線画化等若干加工してでも下絵替わりに下敷きにして清書すれば、下絵を1から描く手間が省ける事は分かって貰えると思います。
線画化
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大きな問題点
クリエイターが画像生成AIを活用しようとした際に、大問題なのは現状画像生成AIが生成した画像には著作権がないという点です。
自分がメインキャラクターを描いたのに、背景にAI画を使ったら著作権が認められなくなるという危険性があるのです。
明確にキャラクターと背景等なら判断しやすいですが、現実にはAIで生成したモノの上に自分が描き加える等のようにAIと手描きの境界が曖昧になるケースが多い筈です。AI(加筆)
これで、労力を掛けて完成させたモノがAI画だから著作権ナシと言われてしまうと、せっかく絶大に効率化出来る筈の便利ツールが、仕事では使えなくなってしまいます。
また、自分が描いた絵にAI画だと因縁をつけて賠償金を稼いだり、AI画だとウソの通報をして規約違反でBANさせる行為が横行するのが目に見えています。
この点も、早急にガイドラインや規定を整備する事が必須です。
おまけ
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画像生成AIでファンアートを作ってみる
試しに、生成に失敗した画像からファンアートを作ってみました。
生成に失敗した画像、コレを敗者復活させる。
彩度や色調・コントラスト等を調整する。
背景を消去する。
別途AIで生成した背景を下に敷く
加筆・編集する
- 背景の色を青系に調整
- 奥の腕を描き足す
- 白目や眼のハイライトを足す
- 唇を加筆
- 肌の照り返しを加筆
- バストから下の服の色を赤く調整
- 生成失敗部分をトリミングしてカット
コレで最初よりは見れるようになったと思いますw
自分で1から描くより早くて楽ですし、完璧になるまでAIに何度もやり直しさせるより、あくまでAIは素材と考えて、上から編集したり自分で描き足したりしたほうが思い通りで意図したモノに近くなると思います。
この例題で鮎川まどかっぽい画像を生成するために学習させた、LoRA追加学習に相当する部分は、一応日本の法律では「学習データとして著作物を利用するのは、情報解析にあたるため、著作権の侵害にはならない」とある為に、法律的には問題ないと解釈されるのですが、それでも他人の描いたモノを盗むのが問題というのならば、自分で描いた絵を30枚学習させて、そのデータで画像生成させたモノを下絵にして自分で仕上げれば、1から描くより省力化して、なおかつ自作の作品だと言えると思うのですが…
今回紹介する本はキンドル版で、キンドル会員ならば無料のようです。
画像生成AIを解説した本のようです。AIイラストは猛スピードで進化しているので、最新の情報ではないですが、画像生成AIの概要は掴めるかも知れません。
これ一冊でざっくりわかるAI×イラスト解析本
美少女AIイラスト本はかなり多数出ており、キンドル会員なら無料も多いので、試しに好みの絵柄を探してみるのもアリかも知れません。
AI生成イラスト集 美少女大百科 第10巻: AI-generated illustrations, Bishojo Encyclopedia, Vol. 10 (English Edition)
AIで描画された廃墟の画像集のようです。
残響廃墟〜自然と幻想が融合する美しきAI廃墟の世界〜
こちらはリアルな現実の廃墟です
廃墟の歩き方 探索編
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