と言う事でこのシリーズの最終回です。
- 倒産へのパターンと潰れやすい会社
余り晒したくなかったのですが、実は新卒で入社した会社も倒産して散々な目に遭っていました。
双方の社長、役員が同じ言い訳を述べていたので会社が潰れるパターンの一つが見えてきました。
双方の社長の言い訳は「融資を確約していた銀行が、直前になって約束を反故した」というものです。
融資出来ないと告げてくるのが他の金融機関が動いていない土日なので、銀行は確信犯なのは確かです。
当方は経営や融資について詳しくありませんが、銀行は会社を潰して担保を回収するようです。
以下もし間違えた解釈だった場合「何も知らない奴がバカな事を言っている」と流してください。突っ込み無用です。
- 倒産へのパターン
前兆としては、
- 長年懇意にしてくれた担当者が急に替わる
- 他行の分もこちらにまとめてくれれば融資する
- 会社兼自宅の自宅部分も担保に入れれば融資する
と言ってくるとヤバいようです。
- 潰れやすい会社
潰れやすいというより銀行が潰しやすい会社がターゲットになるようです。
双方の会社とも、そこまで債務超過に陥っていたわけではなく、業績も救いようのない酷い状態ではありませんでした。
そのような会社がターゲットになるのは銀行側から見れば当然で、借金まみれで著しい債務超過の会社の担保を回収しても満足な額は回収出来ないでしょうし、大会社を潰せば社会的問題になります。
逆に零細企業を潰しても、回収出来る総額は銀行にしてみれば微々たるものです。
となると、従業員50-100人程度で、負債額がそれほど債務超過に陥っていない場合、銀行は担保を取り返してしまえばほとんど損しません。
双方ともそのような会社でした。
- 潰れた会社の実例3パターン
当然ながら2回倒産を体験しても、その後の展開は全く異なりました。
更に元請だった取引先が倒産した際の伝聞も加えて、3パターンの実例を記します。
- 危機管理能力のあった会社
銀行が日曜日に融資不能と連絡してきて、手形の不渡りが確定するとすぐに社員に全員解雇の通知を速達で郵送しました。
社員を債務者から切り分けて、債務の責任を経営陣に限定するための処置との事でした。
不渡り直前の短時間で、残っていたお金や預金は融資不能と連絡してきたメインバンク以外の別の銀行に集約させました。
破産管財人が資産を凍結する前に、退職金や日割の給料、解雇予告手当をメインバンクから移した別の銀行の口座のお金で社員に分配しました。(給料の遅配はない会社でした。)
この時点で、解雇された社員のほぼ全額の賃金が支払われた状態です。
この間ほんの数日というスピードです。
逆に下請けや出入りの業者は、仕掛や売掛の代金を踏み倒されたカタチになります。
その後破産管財人に移管され、最終的に残りの配当金を受け取りました。
元経理か総務の誰かが破産管財人のアシスタントになったので、破産管財人との連絡窓口もありました。
経営者が、万が一会社が潰れたらどう対処するか?という危機意識を持ち、事前に最悪の自体をシミュレーションしていえば、このようにスピーディーに社員の賃金を支払う対処が出来ます。
素早く賃金の大部分は清算され、問い合わせ先があるだけでも、不安感は相当払拭されます。
- 何も考えていない頓馬な会社
今回潰れた会社は創業100年で、業績は悪化していたとはいえ仕事は回っていました。
直近10年でも何度か危機的状況に陥りましたが、その都度乗り越えてきました。
社長は性善説で、まさか長年付き合いの深いメインバンクが約束を反故にするとは考えてもいなかったようです。
なので対策は全くなく、ただ未払賃金立替払制度のコピーを渡されただけで、社長は本社だったのでこちらの工場には来ず、最後は顔も見てません。
未払いの給料がどうなるかのキチンとした説明もなく、その後の問い合わせ先もないので、不安感や不信感は増長されました。
その後の社員達は五里霧中のなか、自力での対処を余儀なくされ、最初に未払い賃金の一部が支払われるまでには9ヶ月半掛かり、最終的な解決に2年弱掛かりました。
経営者次第でこれだけ後の顛末は違ってきます。
- 救いようのないケース。
以前働いていた会社の受注先(二次請会社)のケースです。
伝聞なので正確ではありません。
この経営者は、起業したり仕事を受注してきたり、優秀な人材や下請けに仕事を投げる能力は高かったようですが、一つ一つの問題をキチンと解決させていく能力が欠如していたようでした。
仕事でトラブルが生ずると自分では解決出来ない上に問題を先送りして放置、事態を悪化させた挙句に逃げ出し、社員や下請けが尻ぬぐいをして事態が収束すると何事もなかったように戻ってきて、謝罪もなしに何食わぬ顔をするという行為を繰り返していたので社内や下請けには評判の悪い経営者でした。
いい仕事を取ってくるので、社員も下請けも文句は言いながらも縁は切れなかったようです。
最後は社員への給料の未払いが続いた上に社員から借金しまくり、経営を放棄して雲隠れしました。
その間に妻に自分の資産を全部移してから離婚し(カタチだけ)、自己破産して責任逃れをしていた事が発覚しました。
社員は未払い給料と借金を踏み倒された上に、放置された会社の後始末も押し付けられ、自分たちの新しい職場も作らなければならない踏んだり蹴ったりの事態に陥れられました。
当然当方の勤めていた会社も、売掛/仕掛品の代金は踏み倒しです。
数年後、ひょっこり戻ってきて何食わぬ顔で平然と生活していたようです。
- まとめ?
このように一口に倒産といっても、会社によってその後の顛末はまるで異なります。
なので丸損や解決までに数年掛かる覚悟は必要です。
- 最後に
当方と同様に倒産の憂き目に遭って、先が見えない人の参考になれば幸いです。
但し反響が薄いと判断した場合には、当方的には忌まわしい黒歴史なので予告なく削除します。
給料未払いの顛末は以上です。