カトラス☆アメ車☆旧車&イラスト

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【旧車】昭和懐かしホラ吹き爺にご用心【レトロ】

「昭和レトロ」「懐かしの昭和」などの文言を見たり聴いたりすると思いますが、「懐かしい」をやたら連呼するオジサン達とTVやWebサイト、書籍などの昭和の画像や映像に関して、知って貰いたい2つの事柄について書きます。

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2021年(令和3年)現在、昭和は既に元号が変わってから33年経過しました。

という事は、平成以降に生まれた人の最年長は33歳ぐらいになります。

 

日本の年齢別人口分布で雑に計算すると日本人のうちの1/3に当たる30代前半以下の若い世代は、リアルな昭和を知らない人達という事になります。

 

そこで、間違えた「昭和レトロ」「懐かしの昭和」などが出回ってしまう事態に陥ることになりました。

 

今回と次回で「昭和レトロ」「懐かしの昭和」が間違える元凶になる問題点2点についての話をしていきます。

 

 

「昭和レトロ」「懐かしの昭和」が間違える発端として、特に

  • 昭和懐かしホラ吹き爺の横行
  • 発信側の検証機能の欠落

が考えられます。

 

今回はその内の「昭和懐かしホラ吹き爺」についてです。

  • 昭和懐かしホラ吹き爺

昭和懐かしホラ吹き爺とは、旧車のイベント会場でニヤニヤしながら「懐かしいな~」を連呼して、大声で自己流の蘊蓄を誰彼無しに自慢げに吹聴して廻る人達の事です。

 

彼らの最大の難点は、悪気なく不正確な情報をしゃあしゃあと流布して回ってしまう点です。

 

本人は「アドバイスおじさん」同様に悪意や悪気は一切なく、「良かれ」と思って行動している点が最も厄介です。

 

例を挙げると彼らはこれらを平然と「ああ、昭和30年代!懐かしい」と吹聴します。

彼らの非常に悪い癖は、自身の感覚的な記憶だけでキチンとした検証をしないまま無責任に発言してしまう点です。

しかも人からの助言には一切耳を傾けません。

 

彼らは自身の曖昧な記憶だけを根拠に、正確な情報を検索して確認してから発言しようとしないので、平然とダイハツミゼットとマツダK360を混同したまま、確認して正そうなどという意識は一切なく平然と発言します。

この手の人達の傾向としては、概ね昭和の昔話を「20~30年くらい前」と発言します。

 

彼らには時間の観念が稀薄です。実際の30年前は平成3年(1991年)です。昭和30年代は約60年前ですが、彼らの狂った感覚だといつまでも「20~30年くらい前」なのですw

 

そんな適当な人たちの発言を、一字一句全て真剣に受け止める必要はありません。

 

彼らが脊髄反射的に「懐かしい昭和30年代」と語るオート三輪も、現存している車両の大部分は昭和40年代のモノです。

上のツイートの1974年は昭和49年です。

これらを平然と昭和30年代と語ってしまうのでホントに頭が痛いです。

 

下の1966〜1974年は昭和41~49年です。

彼らは昭和の元号と西暦を素早く変換する能力も欠落しています。

ボンネットバスも彼らの手に掛かると一緒くたに「懐かしの昭和30年代」として扱われます。

 

ちなみにこちらのバスは1966年(昭和41年)製で、昭和30年代ではありません。

しかし彼らは平然と昭和30年代として語ります。

これらの話を聞く側の若い世代の人たちは、彼らが余りに自信に満ちた雄弁な語りで吹聴するのですっかり信じてしまい、結果的に史実とズレた間違えた昭和感を描いてしまうのです。

 

  • 昭和懐かしホラ吹き爺への対処法

彼らは陽キャで気さくに話しかけて来ますが、特に警戒して身構えたり、初めから排除する姿勢で挑む必要はありません。

 

話半分と受け止めて適当に相槌を打っていれば、ひとしきり自慢話や武勇伝を吹聴して満足して去っていくので、受け流すのが吉です。

 

彼らも100%嘘を語っている訳ではなく、話しの大元自体は実体験に基づいた話が大半なのですが、思い出補正と武勇伝の膨らまし、いつまで経っても「20~30年くらい前」で処理してしまう鈍感さ、自身の話を実際の時系列と照合して検証しようとする気が一切ない体質のせいで、結果的にホラ吹き爺と化してしまうのです。

 

具体例を出すと、上記の昭和40年代のオート三輪を前にして、

「昔(昭和30年代)は角を曲がる時にオート三輪がよく転んだ」と語ります。

 

確かにオート三輪が転倒したのは事実です。

その点では、誤った話をしている訳ではありません。

しかし展示してある昭和40年代のオート三輪が転倒したのではなく昭和20~30年代のオート三輪がよく転倒したのです。

 

残念ながら彼らには昭和20~30年代のオート三輪と、展示してある昭和40年代のオート三輪を分別する知能がありません。

 

年代の仕分けがザルなので、彼らにとってはそれが昭和30年代なのか昭和40年代なのかには興味がなく、琺瑯看板・オート三輪・ボンネットバスは昭和30年代と乱暴にカテゴライズしてしまうのです。

 

そして話を聞かされた若い世代は、展示してある昭和40年代のオート三輪が転倒したというイメージを植え付けられてしまいます。

 

このようにして、間違えた昭和感が次々と伝播してしまいます。

 

ちなみに間違いを指摘したところで彼らには改める気が毛頭ないので、いくらこちらが彼らより正しい事実を詳しく知っていても間違いを指摘するだけ無駄です。

 

最後は逆ギレして「お前らの生まれてない時代にオレは生きていたのだから、俺の言う事が絶対間違いない」と怒り出すのがオチなので、適当にあしらいましょう。

  • ノイジー・マジョリティ

マーケティング用語で「ノイジー・マイノリティ」という言葉があります。

製品やサービス、SNSなどへの批判やクレームなどは「ノイジー・マイノリティ」と呼ばれる声が大きい少数の意見の可能性が高く、大部分の人たちは「サイレント・マジョリティ」と呼ばれる、声を発しない(意見を出さない)多数派である場合が多いといった意味で用いられる用語です。

 

困った事に、昭和懐かしホラ吹き爺は「ノイジー・マジョリティ」(声の大きい多数派)なのです。

 

地道に正確な史実を残そうと努力している少数の人達の前にしゃしゃり出て、平然とデタラメな情報を昭和を知らない若い世代に声高に吹聴します。しかも悲しい事に、いい加減で無責任な発言をする連中のほうが多数派なのです。

  • 平成生まれ、平成育ちの皆様へ

彼らを単なる嘘つき、老害として頭ごなしに無視して遮断するのではなく、話している実体験は事実でも、それらを正確に伝達する能力が欠如した残念な人々と認識して、やさしい気持ちで生暖かく受け止めて下さいw

 

彼らの発言に対しては、そもそも時代感覚がズレている人という前提で応対し、発言の全てを鵜呑みにしないで自分自身で後日ググって時代的な整合性を検証する習慣を身に着けて下さい。

 

そして、くれぐれも間違えた昭和感を拡散する側に回らないように、発信する前に必ず時代関係の整合性を検証した上で発表するように心がけて下さい。

 

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