未だに根強い人気の日産フェアレディZ(S30Z)ですが、現在のオーナーさんやZを扱うお店の大部分は新車もしくはまだ新しかった 1973-75年(昭和48-50年)当時は、子供か生まれていない人のほうが多いと思います。
なので、フェアレディZがまだ新しい現行車として街中に走っていた当時の姿を知らない人のほうが多いのではないでしょうか?
そこで1973-75年(昭和48-50年)頃の実際の標準的なフェアレディZの本当の姿を書き記しておきたいと思います。
既に今現在、実際に当時を知らない人が大半であるが故に、間違った「当時風」の認識がなされ始めているのが実情です。
その辺の誤認識を是正出来れば・・と思って記事を書いています。
(※2021/08/07追記)
- 1973-75年(昭和48-50年)頃のフェアレディZ
まず当方が描いた1973-75年(昭和48-50年)頃のフェアレディZ(S30Z)です。
特徴は
- ノーマル車高
- 社外アルミはエンケイディッシュか画像のメッシュ
- 白レタータイヤ(インチアップなし
- ライトカバー
- 社外フォグ
- 社外ドアミラー化(当時は違法
- スポイラーは付いていても、リアのみでチンスポは無し。
- 純正240ZG以外はオバフェンも無し
当時は車高も落としていなければ、ホイールのインチアップもなし、240ZG以外ではオバフェンもなければチンスポもありません。
これが真実の 1973-75年(昭和48-50年頃の姿です。
くれぐれも間違えないで下さい。
そしてこれが、当時(1975年・昭和50年)の実際の画像です。
ツイートした際に頂いたリプです。
1974年の表参道らしいですが
— へけもれ (@hekemore) 2021年7月23日
まさにこの頃ですね(^-^) pic.twitter.com/ELzQB0y2s0
こちらもツイートした際に頂いた リプです。
1970年代中頃のクルマ好きのスタイルです。
シャコタンでもインチアップでもありません。
30年近く前の私の過去車
— 崎見吉生 (@ogu39628389) 2021年7月23日
1976年(昭和51年)式のクラウンMS90。
BS・ZONAメッシュ14インチに、
RD207 195/70R-14 ホワイトレター。
前オーナーが新車当時から履いていたのですが、私が入手した時にはタイヤはヒビだらけでした😣 pic.twitter.com/vey1xOl1GY
S30のフェアレディZは、日本では240ZGや432Zを除けば大部分がL20の2000ccで、途中から2by2が出るものの基本2シーターでした。
なのでセドリックと同じくらいの値段と排気量で、使い勝手の悪い2シーターのスポーツカーを気軽に買える層は限られていて、富裕層がセカンドカー・サードカーとして購入するパターンも多かった筈です。
当然若者が買うというより、中高年で金銭的に余裕のある層か金持ちのドラ息子が買い与えられた物が多かったと思います。
となると、お金を掛けてドレスアップしまくった個体と、ディーラー任せでドノーマルの個体に二分されていたと思われます。
イラストに描いたのはドレスアップ版のほうです。
大多数はドノーマル仕様だった筈です。
- 70年代の街道レーサー
なぜこんな事を書こうかと思ったかというきっかけは、ホットウィールの日本ヒストリックの旧車の新製品を紹介した人が「70年代の街道レーサー仕様」と解説していたからです。
Amazonアソシエイト
ホットウィールは若年層にも広く親しまれているアイテムなので、無責任な発言は若い人達の誤認識を招きやすく、ろくな検証もしないで安易に「70年代の街道レーサー仕様」と不正確な情報を吹聴されてしまうと、さすがに看過出来ません。
どうしても間違えて欲しくないのですが、1970年代中頃(1975・昭和50年)までの街道レーサーで、
- シャコタン
- 社外アルミ
- インチアップ
- 大径ホイール
- オバフェン(特にワークス)
- チンスポ
- リアスポ
- エアロ
が全部揃っている仕様は99.99%ないと断言出来ます。
もしあったという人は、必ず証拠の写真を提示して下さい。
※2021/08/07追記
その後Twitterでやり取りし、調べると1975-76年頃でもオバフェン・チンスポの改造車も実在したような様子がある事が判明しました。
一律にオバフェン・チンスポの車両はなかったとは断言出来ず、当時から一部では、かなり過激な改造を施した車両も実在したようです。
その部分を訂正します。
今では、実際に当時を知らない人が大半であるが故に、既に間違った「当時風」の認識がなされ始めています。
70年代当時の街道レーサーの画像はググってもほとんどヒットせず、大体の情報はセンパイからの武勇伝の口頭伝承で語り継がれています。
ほぼ唯一当時の普通のドレスアップ車を見られるのは、こちらの小林タイヤのサイトぐらいです。小林タイヤ商会‖オールドタイマー
このサイトは年号の記載はないものの、当時のドレスアップの画像とスペックの記録がなされている、資料性の高いサイトです。
実際の70年代はオバフェンやチンスポ、インチアップはなく、画像のような加工ワイド鉄チンが主流です。
画像出典:小林タイヤ商会‖オールドタイマー
フェアレディZはやや高額な車両だったので、金銭的に余裕のあるドレスアップにお金を掛ける層のオーナーが多かったと思いますが、まだ社外ホイールの選択肢が少なかったのです。
画像出典:小林タイヤ商会‖オールドタイマー
センパイが正確に1975年(昭和50年)と明確な年号で証言する事は稀で、ほぼ間違いなく思い出補正が掛かっています。
そして1981-82年(昭和56-57年)頃からシャコタンで社外アルミ、オバフェン・チンスポ/リアスポの「族車」が流行り始めます。
大抵のセンパイの思い出補正が掛かった武勇伝の口頭伝承は、この1980年代の話と車種がケンメリ・S30Z・ダルマセリカ・ブタケツローレル・サバンナRX3などの70年代のクルマだった点から、混同して記憶違いを起こしていると考えられます。
画像のようなスタイルは1981-82年(昭和56-57年)頃からで、1970年代中頃(1975・昭和50年)はオバフェンやチンスポはなく、こんな社外アルミは出ておらず加工ワイド鉄チンが主流です。
「70年代の街道レーサー仕様」ではありません。
画像出典:ヤフオク
画像出典:ヤフオク
センパイに「そのパーツは1975年にはまだ販売されていない」などと反論すれば「当時を生きてきた俺が言う話が絶対だ!」とぶん殴られますw
目安としては、会話の中で西暦(1975年)と 元号(昭和50年)を瞬時に間違いなく言い換えられない人は物や出来事の年代に無頓着な傾向が強い人と判別出来ます。
そのようなセンパイは否定しても逆ギレされるだけなので、話半分で聞き流しておかないと翻弄されます。
そういう人の「つい最近」は10~15年前「20年ぐらい前」は30~45年前の事を話すので、話をしてみれば無頓着さ加減が判り、その年代のブレ具合でどこまで話半分で聞き流せば良いかが判定出来ます。
こうして今では1973-75(昭和48-50年)頃の実際の姿は歪曲されて、誤った情報のほうが広く伝わっています。
時代設定が昭和というだけで、もれなくホーロー看板にボンネットバスとオート三輪が走っている風景が出てくるドラマと同じ状況になり始めています。
くれぐれも賢明な諸氏は、1973-75年(昭和48-50年)頃と1981-82年(昭和56-57年)頃をごちゃ混ぜにしないようお願い致しますw
結構最近出たタミヤの1/24ですね。
窓枠の組み方など独特なようです。
タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.360 ニッサン フェアレディ 240ZG プラモデル 24360
ハセガワの1/24です。
ハセガワ 1/24 ニッサン フェアレディ 240ZG プラモデル HC17
フジミから出ていたのは知りませんでした。こちらは432のようです。
フジミ模型 1/24 インチアップシリーズ No.162 ニッサン フェアレディ Z432 プラモデル ID162
トミカ、悪魔のZでしょうか?
トミカ トミカプレミアム 09 日産 フェアレディZ
アオシマの1/32です。前に出たGT-Rは評価が高かった筈です。
青島文化教材社 1/32 ザ・スナップキットシリーズ ニッサン S30フェアレディZ イエロー 色分け済みプラモデル 13-C
1/64のZ432セットです。
ホビーガチャ 日産 フェアレディZ432 コレクタブルミニカー 全5種セット タカラトミーアーツ
2015年の本のキンドル版のようです。ひとくちにS30Zと言っても432Zや240ZG、2by2など色々あるので解説されているのかと思います。
ニューモデル速報 歴代シリーズ 初代フェアレディZのすべて
S30Zが出て数年後にまとめられた本のキンドル版です。
試し読みで見たら240ZGも掲載されてました。当時や開発時期の資料が多数掲載されていると思うので、資料性は高いと思います。
キンドル会員なら無料で読めるみたいです。
【完全復刻版】 モーターファン 日本の傑作車シリーズ 第12集 ニッサン・フェアレディ 完全復刻版 モーターファン 日本の傑作車シリーズ
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