昭和と平成初頭の日本の乗用車の車種を、かなり早く調べられる便利な書籍の紹介です。
Twitterで古いクルマを撮って「これなに」とか「なんかいた」というツイートを見掛ける時があります。
出先で古いクルマを見掛けてスマホで撮って、すぐツイートしたい気持ちは判りますが、単に「これなに」や「なんかいた」だけではちょっとアホっぽい感じにも受け取れます。
そこで今回紹介するような書籍をヒマなときにでもパラパラめくって眺めていれば、「これなに、トヨタ?日産?」とか「なんかいた、ケンメリと同年代ぐらいっぽい感じ」とかクルマに興味がある感は出せる気がします。
リプライする側だったら、書籍をパッとめくって「多分19XX年くらいのマツダ〇〇じゃないですかね?」と返信出来ます。
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二玄社 日本車検索大図鑑
その書籍は二玄社の日本車検索大図鑑(別冊CG)です。
この本は、
- トヨタ 1955-1991
- ニッサン/プリンス 1955-1992
- 三菱/マツダ 1960-1994
- ホンダ/ いすゞ/スバル/ダイハツ/スズキ/ヒノ 1955-1993
の4巻が出版されています。
この4巻で1955年から平成初頭までの国産乗用車は網羅されています。
当方も当然所有していますが、概ね国産車の概要は頭の中に入ってしまっているので実家に置いたままです。
1991~1994年で終わっているのは、トヨタから順に年一巻のペースで出版されていたからです。
当時は現行モデルまで網羅された書籍でした。
ちょうど以前紹介したAmericanCar Spotters Guideの日本車版のような感じです。
当方も1991年から1994年までの間に初版で全て揃えました。
メーカー公式の広報写真を切り貼りしたような全モノクロページですが、パラパラとめくっているだけでも、1960年代のデザイン、70年代・80年代と、大体のデザインの傾向が判別できるようになってくるので、一発で車種まで特定出来なくても大体1960年代前半っぽいとか、1970年代末っぽいといった絞り込みが出来るようになってきます。
画像出典:
https://minkara.carview.co.jp/userid/114745/car/134835/957806/photo.aspx
そうすれば、余りにも的外れなトンチンカンな車種判定は回避出来るようになります。
例えば1965年以前の日本車にはBピラーのないハードトップは存在しませんし、現在主流の異形ヘッドライトは1980年代末からで、それまではフローリアン等のごく一部を除いて規格品の丸形か角型のシールドビームが普通でした。
角目4灯ヘッドライトが一斉に流行するのは1979年以降です。
現在メジャーなプレスドアも1980年代末からで、それまではサッシドアと70年代のハードトップのようなサッシレスドアが普通でした。
鉄バンパーも1980年代中頃までで、以降ウレタンバンパーからボディ一体型の同色バンパーに移行しています。
このような大きな変遷だけでも掴めれば、トヨタのオリジンを昭和30年代のクルマと勘違いしたりする事はなくなります。
もし国産旧車に興味があるのなら、揃えても(1巻のみでも)損はないと思います。
当方は知りませんでしたが、日本車大図鑑という書籍も出ているようです。
こちらは1960年から2012年までの日本車の乗用車が網羅されていて、オールカラーみたいです。
税込みだと3万円を超えるので気軽に買えるものではありませんが、日本車に精通したいのなら持っていても良いかも知れません。
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メリットデメリット
日本車検索大図鑑にも当然メリットデメリットがあります。
メリット
- パラパラとめくって即座に車種の特定が出来る。
- 車種のモデルチェンジの変遷が判りやすい。
- 新車時の純正の仕様が判る。
メリットでは、紙媒体なのでパソコンやスマホ等のデジタル環境になくてもアナログ的に調べられる点と、今となってはかなり重要になってしまった、新車時のオリジナル状態が確認出来る点です。
特に新車時のオリジナル状態を知る事は重要です。
スマホでググれば大抵の車種の画像はヒットしますが、人気車であればある程、大部分がギタギタに改造されて非オリジナルとなってしまった残念な姿ばかりが筆頭に表示される筈です。
ハコスカはシャコタンでフェンダーカットされ、ワタナベのホイールを履いていてチンスポが装着されているのが純正だと思い込んでしまう人も居るかも知れません。
是非それぞれのクルマの純正状態を知って下さい。
デメリット
- 1955年以降の乗用車のみしか網羅されていない。
最大の欠点は、掲載されているのが乗用車のみという点です。
今では4ナンバークラスや軽の商用車は、集約化されて他メーカー車でもOEMで同じクルマの名前違いばかりですが、日本の自動車産業は黎明期からずっと商用車が中心となって発展してきました。
1960年までは乗用車より商用車のほうが車種が圧倒的に多いです。
なので出来れば少なくとも1970年代中盤までは、4ナンバークラスまでのバンや2トントラックまでは網羅しておかないと、昭和の国産車を制覇したとは言い難いです。
ぶっちゃけ国産乗用車だけ網羅したのでは片手落ちです。
とは言え国産乗用車だけでも全車種の外観が判るので貴重な資料である事には間違いありません。
アマゾンで見つけた日本車検索大図鑑です。
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61JIfeYDu5L._SL160_.jpg)
日本車検索大図鑑 1 トヨタ (別冊CG)
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41e5c3VH36L._SL160_.jpg)
日本車検索大図鑑 2 ニッサン/プリンス (別冊CG)
残念ながら3巻は見つかりませんでした。
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/6180PX2ywKL._SL160_.jpg)
日本車検索大図鑑4 ホンダ/いすゞ/スバル/ダイハツ/スズキ/ヒノ 1955-1993
オールカラーの日本車大図鑑です。3万円ちょいと高価ですが資料性は高いです。
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41u9wmARz7L._SL160_.jpg)
日本車大図鑑
2017年までの約100車種を追加した第2版です。
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51oUoPuwkZL._SL160_.jpg)
日本車大図鑑 第2版